【最新版】フォークリフトの種類と選び方|現場に合う1台が見つかる!タイプ別ガイド

2025年7月2日
工場や倉庫、物流現場などで荷物の運搬や積み下ろしを効率化するために欠かせない存在のフォークリフト。
実は動力源・構造・操作方式などによって多くのタイプが存在します。
そのため、
「どんな種類があるの?」
「使っているフォークリフトが今の現場に適しているのかわからない」
「現場に合ったタイプのフォークリフトはどう選べばいいの?」
と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
それぞれの違いがわからないまま使用していると、思わぬトラブルや作業の遅れにつながることも。
このコラムでは、フォークリフトの導入や買い替えを考えている方が目的に合ったフォークリフトをスムーズに選べるよう、種類や特徴をわかりやすく整理しました。
加えて、選定時に押さえておきたい免許や資格についてもご紹介します。
【フォークリフトの種類①】動力源による分類と特徴

フォークリフトの種類は、まず「動力源」で大きく分けられます。

フォークリフトは動力源によって、向いている現場・メリット・デメリットがあります。使用する環境や目的に応じて選んでいきましょう!
エンジン式フォークリフト(ガソリン/ディーゼル/LPG)
エンジン式フォークリフトは、ガソリン・軽油(ディーゼル)・LPG(液化石油ガス)などを燃料とし、強力なパワーを備えたモデルです。
重たい荷物の運搬や長時間の連続稼働に強いので、屋外作業を中心とする現場で多く採用されています。
- 高出力・高トルクでパワフルな走行
- 燃料補給が短時間で完了し、稼働率が高い
- 地形の起伏や傾斜があっても安定して走行可能
《燃料の種類と違い》
燃料 | 特徴 |
ガソリン | 始動性が高く、寒冷地でも安定稼働。排ガスと燃費はやや難あり。 |
ディーゼル | トルクに優れ、燃費も良好。騒音・排気ガスが多めで屋外向け。 |
LPG | 比較的クリーンな排ガス。整備が簡単でメンテナンス性も高い。 |

LPCとは液化石油ガスの略称で、プロパンやブタンなどを液体にした燃料です!
《向いている現場》
- 建設現場、屋外資材ヤード
- 鉄骨やコンクリートなどの重量のある物を扱う工場
- 長時間稼働を必要とする物流センター
バッテリー式フォークリフト(電動式)
バッテリー式フォークリフトは、電力を使用するため排ガスが出ず、屋内作業に適した静音設計が特徴です。操作も滑らかで、衛生管理や環境対策が求められる現場に多く導入されています。
メリット
- 排気ガスゼロで、クリーンな作業環境を実現
- 騒音が少なく、夜間作業や住宅近接エリアでも使用可能
- メンテナンスが比較的簡単で整備費用も抑えられる
デメリット
- バッテリーの充電に時間がかかる(6~8時間程度)
- 長時間稼働や急な増車には不向きな場合も
《向いている現場》
- 食品・医薬品の倉庫
- パレット積載が多い冷蔵・冷凍倉庫
- 屋内・密閉空間での作業全般
燃料電池式フォークリフト(FCフォークリフト)
水素を燃料に発電して走行する次世代型のフォークリフト。
排出されるのは水だけという環境負荷の少ない仕組みで、バッテリー式よりも短時間の補給で長時間稼働が可能です。
メリット
- わずか3分程度で水素チャージ完了
- 長時間稼働でもパワーダウンしにくい
- 環境対策を意識した企業活動と相性が良い
デメリット
- 水素ステーションや供給インフラが必要
- 導入コストが高いため、現時点では大規模施設向き
《向いている現場》
- 最新設備を導入する大手物流センター
- 環境認証(ISO14001等)を取得している施設
参考資料:厚生労働省「フォークリフトの安全な運転に関する基礎知識」
【フォークリフトの種類②】構造・用途別の分類と最適タイプ

続いては、フォークリフトの「構造」や「使用方法」によって適した種類を紹介します。

荷物の積み下ろしの方向や現場のスペース事情によって最適な構造タイプが異なるので、詳しくみていきましょう!
カウンターバランスフォークリフト

車体後方に重り(カウンターウェイト)を備え、荷物を前方に持ち上げても転倒しにくい構造のフォークリフトです。もっともスタンダードなタイプで、屋外や比較的広いスペースでの使用に適しています。
《向いている現場》
- 一般的な物流倉庫
- 屋外搬送
- パレットの取り扱いが多い現場
リーチフォークリフト(リーチトラック)

運転者が立って操作し、マスト(フォーク部分)を前後にスライドさせて荷物を出し入れする構造。車体がコンパクトで小回りがきき、狭い通路や高いラックが並ぶ倉庫に最適です。
《向いている現場》
- 通路幅が狭い保管エリア
- ピッキング作業が中心の倉庫
- 高所棚への収納が多い施設
サイドフォークリフト(別名:サイドローダー)
車体の側面から荷物を積み込むタイプで、長尺物を安定して搬送できる構造。通路を広く取らなくても、車体の側面で荷物の出し入れができる点が強みです。
《向いている現場》
- 建材や鋼材などの長尺物倉庫
- 通路が限られている保管施設
オーダーピッカー

作業者がフォークリフトに乗ったまま昇降し、棚から直接商品をピックアップできるタイプです。高所にある商品を個別に取り出すピッキング作業に特化しており、倉庫内の業務効率化に貢献します。
《向いている現場》
- ネット通販のための物流拠点
- 高棚を使用する保管施設
ウォーキーフォークリフト

運転席がなく、作業者が徒歩で操作する小型の電動フォークリフトです。トラックの荷台や狭い構内での短距離運搬に適しています。

現場によっては「電動ハンドリフト」「ウォーキートラック」と呼ばれていますよ。
《向いている現場》
- 倉庫の仕分け・構内搬送
- トラック荷台での積み下ろし
- 店舗バックヤードなどの狭小スペース
マルチディレクショナルフォークリフト
前後・左右・斜めの全方向に移動できる特殊構造のフォークリフトです。複数のタイヤが個別に動くため、狭い通路や方向転換が難しい環境でもスムーズに操作できます。
《向いている現場》
- 建材倉庫や鉄鋼資材センター
- 長尺物の保管・搬送が頻繁な現場
- 狭小スペースでの作業が多い施設
【フォークリフトの種類③】タイヤ形状による分類

フォークリフトは「何輪か」「どんなタイヤ構造か」によっても性能が大きく変わります。ここではタイヤ形状ごとの特徴と選定ポイントをみていきましょう。
3輪フォークリフト
後輪が1輪(もしくは2輪並列)で、前輪が2輪の3点支持タイプ。小回り性能に優れており、狭い通路やピッキング作業が多い現場に最適です。
メリット
- 旋回半径が小さく、狭所でもスムーズな取り回し
- 軽量で省スペース設計
- 省エネ性が高く、屋内に向いている
《向いている現場》
- 店舗のバックヤード
- ピッキング中心の倉庫
- 通路幅が限られているエリア
4輪フォークリフト
前後左右にタイヤが配置された一般的な構造。安定感があり、重量物の搬送や段差のある場所での走行に強いのが特長です。
メリット
- 荷重バランスに優れ、大型荷物の運搬に適する
- 段差や傾斜でも安定走行可能
- 屋外や舗装路での作業も安心
《向いている現場》
- 屋外資材ヤード
- 倉庫間の移動が多い拠点
- 長距離搬送が必要な施設
キャタピラ(クローラー)式フォークリフト
車輪の代わりにキャタピラ(クローラー)を装備。悪路や砂利道、不整地での走行を目的に設計された特殊タイプのフォークリフトです。
メリット
- 泥や砂利道でも滑りにくく、安全に走行
- 工事現場や災害現場での活躍が期待できる
- 舗装されていない道でも高い機動力
《向いている現場》
- 林業・建設現場
- 降雪地やぬかるんだ地面
- イベント会場などの仮設設営作業
【どの免許が必要?】フォークリフトの種類によって資格が変わる?

フォークリフトの操作には、荷重に応じた「技能講習」または「特別教育」の修了が法的に必要です。無資格での運転は労働安全衛生法違反となり、事業者にも重大な責任が及びます。
フォークリフトを運転するための資格【種類と基準】

荷重別に必要な資格と講習についてみてみましょう。
区分 | 荷重 | 必要な資格 | 講習時間 |
1トン以上 | 1t超 | フォークリフト運転技能講習修了 | 約31時間(学科+実技) |
1トン未満 | 1t以下 | フォークリフト運転特別教育修了 | 約11時間 |
場合によって実務経験の有無や、他の建設機械資格保有者は一部の講習が免除されるケースもあります。

資格の取得後は、業務に合わせて必要な経験・安全教育を継続して行い、操作技術のキープと安全確保に努めましょう。
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【よくある質問】最適なフォークリフトの種類がわかるQ&A

Q1. 音や排ガスが気になる倉庫では、どのタイプを選べばいい?
A. バッテリー式フォークリフトがおすすめです。
排気ガスが出ず、静音性にも優れているため、食品・医薬品倉庫や住宅地近接の拠点でも安心して使えます。メンテナンスの手間も比較的少なめです。
Q2. トラックの荷台から荷物をおろすだけ。もっと小型でいいんだけど?
A. ウォーキーフォークリフトは、運転席がない歩行型で、トラックからの積み下ろしや、店舗バックヤードでのちょっとした移動に便利。狭い場所でも使いやすく、操作もシンプルです。
Q3. 環境に配慮した最新型ってあるの?
A. 燃料電池式(FCフォークリフト)なら、空気を汚さず稼働できます。
水素で発電し、排出されるのは水だけ。環境への優しさを意識する企業や、大規模な物流拠点に導入が進んでいます。水素ステーションがあれば3分で補給完了と、稼働効率も高いです。
種類の多さに迷わず、最適な一台を見つけよう

フォークリフトは、動力源・構造・操作方式といった多くの分類があり、どれを選ぶかによって作業効率や安全性に大きな差が生まれます。
「種類が多いから難しい」と感じた方はまず自社の現場がどのような環境で、どんな荷物をどう運ぶのかを明確にしましょう。
もし現在の機種に少しでも「使いにくい」「現場に合っていないかも」と感じているなら、それは見直しのタイミングかもしれません。
不要になったフォークリフトや、今後使いづらくなる可能性のある機種があれば、専門の買取業者に相談することで、ムダなく有効活用できます。
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