リーチフォークリフトとは?操作方法・免許・特徴をわかりやすく解説
2025年11月5日
リーチフォークリフトは倉庫や物流センターで多く使われている、立って操作するタイプのフォークリフト。
狭い通路でも素早く荷物を運べる屋内作業で今や物流での主力フォークリフトとなっています。
静かな動きで、視界も広く、電動式なので排気ガスも出ません。
一見難しそうに見えますが、仕組みを知れば意外とシンプルな操作方法となっています。
この記事では、リーチフォークリフトはどんな特徴があるのか、種類、操作の基本、そして必要な資格についてわかりやすく解説していきます。
リーチフォークリフトとは

リーチフォークリフトは、オペレーターがフロアデッキに乗り、立ったまま操作する電動フォークリフト。視界が広くツメを前後に動かせることも大きな特徴です。
また、電動モーターで動くため排気ガスが出ず、屋内の作業に向いていて食品・医薬品・家電など、衛生面を重視する倉庫でも多く使われています。
エンジン音が静かで会話や無線の声も聞き取りやすく、長時間作業でも集中しやすい構造です。

旋回半径が小さく小回りが利き、狭い通路でもスッと向きを変えられるため、パレットの出し入れが多い棚作業にも適しています。
ただし、立ち姿勢での運転に慣れるまではバランス感覚が必要で、運転席に座る自動車の感覚に近い「カウンター式フォークリフト」と比べると、リーチフォークリフトは左手元にハンドルを操作し、右手元でレバーを3〜4本程度使うので操作は難しいといわれています。
それでも、重心の位置や操作の練習を積み重ねれば、カウンター式よりも繊細な動きがしやすいく、スピーディに動くことができます。
リーチフォークリフトの種類と現場の作業内容
リーチフォークリフトとひと口に言っても、現場の作業内容に合わせていくつかのタイプがあります。
ここでは代表的な4つの種類を紹介します。
■ プラットフォームスタッキングトラック

出典:MITSUBISHIフォークリフト
リーチフォークリフトの中でも最も一般的なタイプ。
車体の下には“アウトリガー”と呼ばれる支え棒のような装置があり、荷物を持ち上げても車体がぐらつかないように安定させています。
足元にはプラットフォーム(足場)があり、作業者はそこに立って操作します。
この足場はアウトリガーの上にしっかりと伸びていて、大きさや形の違う荷物でも安定して積み下ろしができます。
倉庫や物流センターなど、荷物の種類が多く入れ替わりの激しい現場で特に活躍します。
小回りがきき、視界も広いため、初心者でも扱いやすく、リーチフォークの中では「まず最初に触れる一台」として選ばれることが多いモデルです。
■ ラテラルスタッキングトラック

ラテラルスタッキングトラックは、フォークを横方向に動かして荷物を運ぶリーチフォークリフトです。
フォークが左右どちらか、または両方向に動く構造で、車体を前後に動かさず横移動だけで積み下ろしができるのが特徴です。
全体的にスリムな設計で、棚の間隔が狭い倉庫や限られたスペースでも効率的に作業できる車両です。
■ 三方向スタッキングトラック
三方向スタッキングトラックは、前方と左右の三方向に荷物を積み下ろしできるリーチフォークリフトです。
フォーク部分が回転するしくみになっており、車体を動かさなくても横や後ろの棚に手が届きます。
棚と棚のすき間が非常に狭い倉庫でも作業ができ、高所ラックや密集倉庫で使われています。
■ オーダーピッキングトラック

出典:トヨタL&F
小型の荷物を人が棚から直接取り出す作業(ピッキング)に特化したタイプです。
作業者が荷物の高さに合わせて上昇・下降できる構造になっており、軽量物を多く扱う倉庫や通販系の物流センターでよく使用されます。
操作方法と基本動作
リーチフォークリフトの操作は、慣れてしまえばとてもシンプルです。まずは基本の流れを順に見ていきましょう。
準備
まずは、操作前の「準備」からです。
リーチフォークリフトは電動式なので、始動手順を正しく踏むことが安全運転の第一歩になります。
1️⃣ フロアデッキに乗る
ステップを使ってフロアデッキに乗り込みます。
2️⃣ 左手でハンドルを握る
左手はハンドルグリップを軽く握り、姿勢をまっすぐに保ちます。方向転換の基本操作はここで行います。
3️⃣ 右手で始動スイッチをONにする
右手側のパネルで電源をONに。操作レバーの配置もこの手の範囲内にまとまっています。
前進・後進、フォークの上げ下げ、マストのチルト(傾き調整)など、主な操作は右手で行います。
4️⃣ 左足でブレーキを操作
左足でブレーキペダルを踏み込むことで、ブレーキが解除されます。解除してもすぐには動かない構造になっているので安心です。
前進・後進
走行はレバー操作で行います。
レバーを前に倒せば前進、手前に引けば後進します。
倒す角度でスピードを調整できるため、最初のうちはスピードを上げずにゆっくりと操作するようにしましょう。
右折・左折
リーチフォークの魅力は、その小回り性能にあります。
ハンドルを切ると後輪が中心を軸に回るため、ほぼその場で方向転換が可能です。
ただし、急旋回は横転や荷崩れの原因になるので非常に危険です。旋回時は速度を落として、操作することが重要です。
荷役(リフト)操作
フォークの上下・前後・リーチ(伸縮)は、右手側の操作レバーで行います。
レバーを手前に倒すとフォークが上昇し、押すと下降。
別のレバーでフォークを前に伸ばしたり、角度を微調整して荷物を安定させたりします。
まず慣れないうちは、荷物を載せずに、空の状態で練習をするようにしましょう。
停止
基本の止まり方はシンプルで、左足をブレーキペダルから離すと自動的に減速・停止します。
また、手元のアクセルレバーをゆっくり中立に戻すことでモーターの力が抜け、自然にスピードが落ちて止まります。
※メーカーや機種などによって操作方法は異なります。
リーチフォークリフトの必要な免許・資格
■ 特別教育で運転できるケース
荷重が1トン未満のフォークリフトを扱う場合は、「フォークリフト特別教育」を受けることで運転が可能です。
講習時間は 12時間(学科+実技)。
2日程度の短期講習で修了できるため、倉庫のパート・アルバイトでも受講している人が多い資格。
リーチフォークリフトの場合、小型のモデルならこの範囲に入ることが多いです。
■ 技能講習が必要なケース
荷重が1トン以上になると、「フォークリフト運転技能講習」の修了が義務になります。
これは国家資格にあたるもので、運転免許の有無によって講習時間が異なります。
この講習は、都道府県労働局が認可した教習機関で行われ、受講時間は保有している免許や経験によって異なります。講習時間は最短で11時間、最長で35時間となっています。
すでに普通自動車・大型自動車・大型特殊免許のいずれかを持ち、さらに1トン未満の特別教育を受けたうえで3か月以上の運転経験がある場合は、最短の11時間コースで受講可能です。
学科で安全基礎を学び、実技ではリーチ式・カウンター式の両方で「荷物の積み下ろし・走行・方向転換」などの動作を訓練します。
講習後に実技試験があり、合格すれば修了証が交付されます。
この資格を持つことで、フォークリフトの運転ができるようになります。
リーチフォークリフト資格取得時と仕事での違いは?
資格講習で教わる操作方法と、実際の現場で求められる動きには何かと違いがあります。
例えば講習中は安全重視のため、フォークを常に後傾(後ろに傾ける)状態で走行するよう指導されます。
これは荷物が前に落ちないようにするための基本動作です。
けれど、倉庫などの物流現場では、常に後傾で走るとパレットが転がってしまう場合があります。
荷物が前に滑り、バックレスト(荷物を支える金属板)やフォークを傷つけてしまうリスクがあるため、
多くの現場では「荷物」や「積み方」に応じて角度を調整するのが一般的です。
つまり、講習で学ぶのはあくまで「安全運転の基礎」。
最初は難しいと感じることが多いですが、現場ごとに日々の経験を通して“安全+効率”のバランスを取る技術が身についていきます。
リーチフォークリフトは、倉庫や物流センターなどで使われる主力のフォークリフトです。
狭い通路でも小回りが利き、静音で排ガスが出ないため、食品・医薬品・家電倉庫など衛生管理が求められる現場でも幅広く使われています。
そして、長年使用した車両の買い替えや更新にともない、「今使っているリーチフォークをどう処分・売却するか」とお悩みの方も少なくありません。
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